2009年9月29日火曜日

アニリール・セルカン経歴詐称疑惑

東大工学系研究科建築学専攻教員 アニリール・セルカン博士の経歴・業績に関わる疑惑の検証


~注意!~
以下の記述はWeb上の公開情報を元に客観的に比較検証を行った結果であり、特定思想や人種・宗教等に由来する一方的な中傷ではありません。もちろんそれらの偏見を助長するものでもありません。


【0:Introduction アニリール・セルカン氏とは】

英文氏名: ANILIR, Serkan 
1973年ドイツ生まれ。国籍はトルコ共和国。大学卒業までをドイツ、スイス、アメリカで過ごす。1995年イリノイ工科大学建築学科卒業、1997年プリンストン大学数学部講師に就任。1999年バウハウス大学建築学科修士課程終了。2003年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程を修了、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究本部宇宙構造物工学研究室講師を経て、現在、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻助教、ローマ大学・ナポリ大学・モントリオール大学客員教授、東京理科大学・筑波大学非常勤講師などを務める。2001年NASAジョンソンスペースセンター宇宙構造・材料系客員研究員として宇宙飛行士プログラムを終了、2004年トルコ人初宇宙飛行士候補に選ばれる。宇宙エレベーター計画など、宇宙構造物に関する研究開発により、U.S Technology Award 、ケンブリッジ大学物理賞及びAmerican Medal of Honorを受賞。現在は先端技術を応用し、インフラに依存しないで暮せる空間技術(INFRA-FREE LIFE)を開発、研究している。また、日本科学未来館の全天周映画「宇宙エレベータ」の監修、和歌山県串本町の串本大使、子供・企業向けの講演など、その活動は多岐にわたっている。著書に、「宇宙エレベーター」(大和書房)、「タイムマシン」(日経BP)、「ポケットの中の宇宙」(中央公論新書)がある。--以上、セルカン氏のblogのプロフィールより(http://blog.anilir.net/?pid=1204

しかしながら、セルカン氏の経歴・業績をWeb上の公開情報と比較検証したところ、残念ながら以下のように結論せざるを得ません。

【アニリール・セルカン氏についてのまとめ(主な結論)】


  • アニリール・セルカン氏は「宇宙物理学者」であり11次元宇宙の研究で受賞したことになっていますが、氏を著者とする物理学に関する論文は一編も発表されていません。
  • 東京大学、およびJAXAのホームページ等で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた物理学の論文は、現実には存在しない架空のものです。
  • 東京大学で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた知的財産権2件については、一件は他人の特許であり、もう一件は存在しない特許です。
  • 「ケンブリッジ大学物理学部 特別科学賞 受賞」については記録もありませんし、そもそもセルカン氏は物理学の研究業績が皆無なので、物理学の研究によって(まともな)賞を授与されることはあり得ません。
  • 同様に、「America Medal of Honor(アメリカ名誉賞)」、U.S.Technology Award受賞の記録もありません。
  • 「プリンストン大学数学部講師」に就任したという記録もありません。またセルカン氏は数学分野の研究業績が皆無なので、数学部講師に就任するというこはまずあり得ません。
  • セルカン氏は「宇宙飛行士候補」と言うことになっていますが、NASAの宇宙飛行士候補のリストにも、宇宙飛行士のリストにも掲載されていません。


詳しくは、以下の各ページをご覧下さい。



これまでに公表されてきたアニリール・セルカン氏の経歴と業績

これらの経歴や業績に関する疑問点の検証

アニリール・セルカン氏に関する雑多な情報


また、上記のような結論が得られてしまった以上、セルカン氏、及びセルカン氏の雇用責任者である東京大学工学部は、以下の疑問に対して真摯に回答して頂きたいと思います。

1、東京大学工学部内のHPで紹介されていたセルカン氏の経歴・研究業績は、本当に全て事実なのでしょうか?(いうまでもなく、一般社会常識的には、大学機関が外部に公開する在職教員の経歴・業績は全て事実であって当然です)

2、東京大学では、助教を含む教職員の採用は、公正・公平な公募を通じて選考することになっております。では、東京大学工学部当局は、セルカン氏の教員採用にあたって、セルカン氏の経歴・研究業績をなんらかのエビデンス(例えば在職証明書や表彰記録、論文の別刷りなど)をもって確認したのでしょうか?

3、朝日新聞Be フロントランナーなどのメディアで、セルカン氏は「東京大学の宇宙物理学者」として紹介されておられますが、では宇宙物理に関する論文はいままでどのような学術誌で発表されておられたのでしょうか?

4、建築家の安藤忠雄氏やSF作家のアーサー・C・クラーク氏などを交えたとされるATA宇宙エレベーター計画は、どこの国のなんという研究機関で現在遂行中なのでしょうか?

5、セルカン氏は宇宙飛行士候補ということになっておられますが、それを証明するものは公開可能でしょうか?






【0-1 関連サイト】


【0-2 関連する大学研究室・学部責任者・機関等】


【0-3 大学における経歴詐称・業績捏造等に関連する過去の事例についての参考文献】

0 件のコメント:

コメントを投稿